【旧道ロケーション】・北海道旧道保存会メンバーによる旧道歩きの記録です。
※ご注意・ここに紹介する旧道等は、実際に歩いたのが2000年から2010にかけてのものでかなり時間を経過しておりますので、現在ではほとんど消滅しているか、進入が困難であることが予想されます。「ツアーガイド」としてはまったく役に立ちませんので、あくまでも当時の記録としてお楽しみください。(本文は当時のHPに掲載していたものです)
旧国道5号線 笠岩 旧トンネル群
小樽から余市方面へ国道5号線を進むと、塩谷を過ぎたあたりから海岸線に出ます。坂を下った正面に見えてくるトンネルが、「塩谷トンネル」。現在は改良によって開口部が広げらていますが、かつては間口の狭いものだったようです。また、トンネル内の余市口付近は左方向へカーブしており、一ドライバーとしては一瞬、緊張感の増す箇所でもあります。なぜ、そのような線形になったのでしょう・・・。
実は、この塩谷トンネルから続く笠岩トンネルにかけての区間で、昭和40年代半ばにトンネルの断面拡張と、道路幅の拡幅などの改良工事が行われました。その際、断崖伝いに通っていたいくつかのトンネルが覆道化などで統合され、山側へ新たに掘られた笠岩トンネルへのルート変更の結果、塩谷トンネル内でのカーブとなり現在の線形となったようです。
2001/10/14調査
左方が余市、右方が小樽。「カシミール3D」使用。
塩谷トンネル余市側の旧道上から小樽方面を見た様子。左が旧トンネルで右が現在の塩谷トンネル余市側口。開口部の大きさに時代を感じる。
旧トンネル余市側を出てすぐの小さな沢にかかるコンクリート橋。ところどころ崩れかかっている。
余市側に続く笠岩トンネルを見たもの。左が現在の笠岩トンネルで、右側が旧道スジと思われるが、その先は崖となっていて旧トンネルの痕跡は見られない。崩落で消滅したのか、あるいは意図的に埋め戻したのか…
旧トンネル余市側開口部。奥にもうひとつトンネルが見える。
旧トンネルの塩谷側口。土砂が堆積している。岩石ではなく泥状のもの。トンネル内部はレンガ状のブロックを組んだもので、天井もかなり低い。小型トラックでも天井をこすりそう。
続く二つ目の旧トンネル。海側はガードレールもなく、すぐ下に波が打ち寄せる。
二つ目のトンネル入り口付近から、今通ってきたトンネルを見る。
二つ目のトンネル塩谷口。正面に見える構造物と右側に張り出している壁は、現在の塩谷トンネルのカーブ部分。
新トンネル部への連結箇所であることがはっきりとわかる。
二つ目の旧トンネル塩谷口。新道の取り付け部分がトンネル開口部を削っている様子がわかる。新道のこの部分は、実際には覆道となっている。
覆道上部から塩谷側を見たもの。この先にあったはずの旧トンネルは、トンネル断面が拡幅された現在の塩谷トンネルだったようだ。
旧トンネル塩谷口。地形図によると年代を追ってトンネルの数が変化していたということなので、おそらく落石対策からか、このようにいくつか連なっていた小トンネルをつないで覆道としていたのかもしれない。
ここからは、奇岩”笠岩”が、手に取るようにすぐそばに見える。
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