【旧道エッセイ】・北海道旧道保存会メンバーによるリレーエッセイです。

Vol、8  狩場山道とB級湖沼ー小田西沼  真尾 秀幸

 

 地図マニアとしてのここ数年の興味の対象は、ズバリ旧道とB級湖沼である。

 

 ところで、早くも話は脱線するが、「B級湖沼」とはいったい何かといえば、その前に「A級湖沼」とは何かといえば、たとえば北海道では、支笏湖、洞爺湖、阿寒湖などといった、だれでも知っているメジャーな湖のことをいい、「B級湖沼」とは、それらと違って、人知れず、ひっそりとある、行けそうでなかなか行けない小さな湖や沼のことである。これは、私の造語であるが、北海道旧道保存会のメンバーのあいだでは、市民権を得た単語となっている。

 

 さて、旧道探しの有力な武器は、古い地図(旧図)である。古い地図といっても、明治以前の骨董品として扱われる地図ではなく、昭和30年代、40年代の地形図である。これらは、古本屋でだいたい500~1000円程度で買うことができるものである。

 

 私が昭和37年発行の5万分の1地形図「狩場山」を手に入れたのは、今からたぶん5年ほど前のことだったと思う。入手先は札幌の南陽堂書店。確か500円だった。

 

 それによれば、国道229号線は、岩内方面から見ると、島牧村の栄浜で途切れそこからは、頼りない点線の道が山中にむけてへろへろと延びているのだ(ただし、その部分は「原歌」に含まれる)。これが、旧道だということは、この道に沿って、水準点が点在していることによって知ることができる。

 これこそ、私の考案した「旧道・水準点の法則」なのである。

狩場山道とB級湖沼ー小田西沼

       真尾 秀幸

昭和32年測量国土地理院発行の

5万分の1地形図『原歌』『狩場山』を合成。

左は紅葉の小田西沼にて。

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