堀 淳一 アーカイブ 『堀 淳一 著書紹介』

※このページでは、堀淳一氏が書かれた地図や鐡道、旧道などにまつわる著書をご紹介いたします。

※ご紹介の書籍は、現在、絶版や版元在庫切れなど入手困難のものが含まれております。ご了承ください。

<1995~1999年に出版された著書のご紹介です。これより以前の著書については最下段のリンクよりお進みください>

『続 北海道 鉄道跡を紀行する』  北海道新聞社/1999年(平成11)発行

/本体¥1700(税別 当時)

 「私が飽きもせずに長い間廃線跡を歩き続けた理由は、それを歩くのがたのしいから、ということに尽きる。鉄橋、トンネル、ホーム、駅舎などの遺跡をみつけるのももちろんたのしいのだけれども、それだけならば私をここまで引きずりこむことはできなかったであろう。廃線跡、という、細く長く続く廃墟の風景、めざましく回復する自然と人間のひと時の営みの残影とのコントラストがかもしだす、何ともいえない情趣をたっぷりと味わいながら、また沿線の風景・風物、さわやかな空気、森の香り、風のささやき、小鳥の囀り、雲の行き交い、新緑、盛夏、紅葉、晩秋、初冬のそれぞれの彩りなどなど、鉄道以外のもろもろのものをゆっくりと味わいながら歩くこと。これこそが、私にとっては廃線跡の魅力なのである。」(著者 あとがき より)

ISBN4-89453-038-4 C0026 ¥1700E

『続 忘れられた道 北の旧道・廃道を行く』  北海道新聞社/1999年(平成11)発行

/本体¥1700(税別 当時)

 「「忘れられた道――北の旧道・廃道を行く」を北海道新聞社から出したのは、一九九二年のことでした。ささやかな本でしたが、幸い、豊かな自然を味わいながら静かな道を歩くことの好きな方々に、よろこんでいただくことができました。そこで続編を、ということになったわけですが、柳の下にドジョウは二匹はいないのが習い、さてどうかな、と気がかりです。柳は柳でもちがう場所(歩いたところがちがう)のちがう柳(文章のスタイルがかなりちがう)だから、前のとは一味ちがうはずだ、とは思うのですが。もしたのしんでいただければありがたいことです。」(著者 あとがき より)

ISBN4-89363-246-9 C0026 ¥1700E

『地図のワンダーランド』文庫版  小学館/1998年(平成10)発行/本体¥800(税別 当時)

 「地図には、複雑精緻なものから単純明快なものまで、彩り鮮やかなものから墨一色の簡素なものまで、また学術的なものからマンガチックなものまで、ありとあらゆる種類のものがあります。その中には一見して美しいもの、おもしろいもの、ユーモラスなもの、奇怪なものが見える地図がたくさんありますが、ちょっと見には気難しくてややこしく見える地図でも、毛嫌いせずによーく見ると、とてもおもしろい中身をもっていたり、マトモに見ないでちょっとナナメにちがった角度から眺めると、なかなかおもしろいもの、珍しいもの、また奇妙なものが見えてくることが多いのです。地図をキラクに楽しんでみましょう。そうするとそれから、いろんな美しさ、おもしろさ、愉快さ、それに知的刺激を引き出すことができます。」(著者 まえがき より)

ISBN4-09-460113-9 C0321 ¥800E

『風変わりオランダ紀行』  東京書籍/1997年(平成9)発行/本体¥2000(税別 当時)

 「オランダは、江戸期から明治のはじめに至る長い間、ヨーロッパ諸国の中でとびぬけて日本に大きな影響を与え、またいろいろな意味でお世話になった国です。その国を風車とチューリップと干拓地と平坦さだけで片付けてしまうのは、大変失礼なことだと思います。日本との結びつきを示す文化的遺物を訪ねることはその失礼を軽減するもっともよい方法でしょうけれども、右に述べたような従来あまり知られていないオランダの自然・人文風景を訪ねることも、その一助ではないでしょうか。私がそれらの風景を見て歩いたのは、もちろん私自身の好奇心・興味に駆られてのことですが、このようなことも考えあわせて、一九九五年九月に歩いた時のことを、この本に書いてみました。読者の方々のご参考になれば幸いです。」(著者 はしがき より)

ISBN4-487-79293-2 C0095 ¥2000E

『一本道とネットワーク 地図の文化史・方法叙説』  作品社/1997年(平成9)発行

/本体¥3800(税別 当時)

「あらゆる地図は、たとえそれが、現代の規矩地図からみていかに「かたち」が歪んでいようが、荒唐無稽に見えようが、絵画的でありすぎようが、みなそれぞれの時代・地域の必然性があって生みだされたものであり、それぞれの時代・地域の歴史・風土・文化・社会・思想・世界観の下で、何らかの意義・意味をもち、それ相応の役割を演じたものであって、決して進歩途中の試作品でも、、まして挫折品・落第品などではないのです。あらゆる地図を差別なく取り上げ、それらの歴史・文化・思想的意義がどういうものだったか、またそれらがどういう役割を果たしたのかを考え、その時代的変遷と地域による違いを論じるのが、真の地図史なのではないでしょうか。つづめていうならば、地図の文化史こそが地図史なのではないでしょうか。」(著者 はしがき より)

 

ISBN4-87893-283-X C0020 ¥3800E

『アジアの地図 いま むかし 文化史散歩』  スリーエーネットワーク/1996年(平成8)発行

/¥2800(本体¥2718+税 当時)

 「地図の狭い意味での地理的内容、とくにその規矩的な(コンパスと定規で測れるか測れないかにこだわった)正確さを、それに規矩的に(シャクシジョーギ的に)執着しながらもっぱらあげつらうのではなく、そこに描かれているさまざまの(地理的内容にとっては重要でない、あるいはそれとは関係がないように見える)図像や地物の表現スタイル、装飾的要素などをすべてひっくるめて地図を全体的に眺め、それらを生み出したその地域・時代の歴史・文化とその下でのそれらの意味を考察することにつとめました。要するに、地図は原始的で不正確、かつ地理とは無縁な(と思うのは実は短見に過ぎないのですが)図像とか飾りとかの多いものから、規矩的に性格で「余分の」装飾的要素を排除したものへと進歩してきたのだ、という、私が否定する進歩主義的地図史観に立つことを、徹底的に避けたわけです。それが本書の標題に「文化史」という言葉が入っているゆえんです。」(著者 はしがき より)

ISBN4-88319-067-6 C0022 P2800E

『意外な水源・不思議な分水 ドラマを秘めた川たち  東京書籍/1996年(平成8)発行

/¥2500(¥2427+税 当時)

 「川の源流ってどうなっているんだろう?と思ったことはありませんか?でも、源流なんて、けわしい山の奥また奥、深い森の中の、道もないところ――とても行ってみるのは無理、と、あきらめてはいませんか?しかし、あきらめるのは早いのです。もちろん、容易に人を近づけない山奥の源流、というのもたくさんありますが、誰でもたやすく見に行ける源流、というのも、またたくさんあるのです。源流、と言えばそれに関連してすぐ頭に浮かぶのは、分水界でしょう。そして、分水界、と言えば、高い山脈を思い浮かべるのがふつうではないでしょうか?しかし、これもそうとは限らず、さまざまな形の分水界があるのです。」(著者 はじめに より)

ISBN4-487-75413-5 C0095 P2500E

『北海道 産業遺跡の旅』  北海道新聞社/1995年(平成7)発行/¥1600(本体¥1553+税 当時)

 「廃墟の幽愁は、あらがいがたく人を魅する。かつては支配者の勢威に人々を畏怖させた城取で。その昔殷賑を極めた都市。栄華を誇った宮殿。信心深い人たちをひれ伏せさせた大寺院。それらの廃址は例外なく人々を不思議な力で誘い、そして哀切の情感と歴史とは何か?人生とは?権力とは?宗教とは?などの思いとに、ひきずりこんでやまない。近代に発達した工場、鉄道、鉱山、発電所、通信施設などの遺跡・廃墟も、全く同じような魅力をもつ。ちがうとすればそれは、右のさまざまな疑問項目に、国家とは?産業とは?近代文明とは?などが付け加わるだけであって、滅びの哀愁にも、人にもの思わせる力にも、何等逕庭はないのである。にもかかわらず、なぜ人々は近代以前のもろもろの遺跡には争って杖をひくのにこれらのいわゆる「産業遺跡」はかえりみないのであろうか。というもどかしさにかられて、この本を書いた。」(著者 はじめに より)

ISBN4-89363-802-5 C0026 P1600E