※このページでは、堀淳一氏が書かれた地図や鐡道、旧道などにまつわる著書をご紹介いたします。

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<1990~1991年に出版された著書のご紹介です。これより以前の著書については最下段のリンクよりお進みください>

 「錆びたレール、朽ちかけた枕木、あるいはグザグザに崩れた道床砂利などの凋落と、草花のめざましい輝き。一つの文明の終焉と自然の復活の息吹き。衰亡の翳りとあふれる生命のきらめき。それらのコントラストと響き合いがよび起こす感動に身をゆだねながら歩く楽しみは、筆に尽くしがたい。そして、尽くしがたいことを承知の上でそれを何とか文章で表現しようと苦心し、前記のような廃墟の趣を味わう感受性をお持ちの方々に、なるほど廃線跡も他の古蹟と同じ味わいを持っているのだな、と少しでも共感していただければ、というひそやかな望みを筆に托するのが、また私のたのしみなのだ――」(はじめに より)

ISBN4-89363-606-5 C0026 P1600E

『北海道 鉄道跡を紀行する』  北海道新聞社/1991年(平成3)発行/¥1600(本体¥1553 当時)

『ケルトの残照 *ブルターニュ、ハルシュタット、ラ・テーヌ心象紀行』  東京書籍/1991年(平成3)発行

/¥2500(本体¥2427 当時)

 「ケルト文化の名残が色濃く残っているアイルランドやブルターニュという土地はどんな風土、味わいのところなのか、大規模なケルト遺跡の発掘された場所というのはいったいどんな環境のところなのか、というようなケルトの生活舞台のイメージが、素人のまず知りたいところなのではなかろうか?専門家にとってはそれらはすでに分かり切ったことだからことさらにあらためて本に描写する必要は当然ないわけだけれども、素人にとっては、そういうものなしにいきなり考古学的遺跡や文化資料だけがこまごまと持ち出されたのでは、一向にぴんと来ないのが普通ではないだろうか?そこで、素人と専門家の間の橋わたしとして、言いかえればケルトのことは知りたいが専門書はどうもむずかしくて、という方々のために、ケルト文化へのソフトなおさそいとしてこの本を書いてみた。」(本文 プロローグ より)

ISBN4-487-75292-2 C0095 P2500E

『ケルト・石の遺跡たち *アイルランド一人旅  筑摩書房/1991年(平成3)発行

/¥3300(本体¥3204 当時)

 「前著、『霧のかなたの聖地――アイルランドひとり旅』に続いて、筆者の二回目のアイルランド探訪(一九八七年)での見聞を綴ったのが本書である。アイルランドの石の遺跡は、大切に保護され手入れされているものもあるけれども、大部分は野ざらし状態のまま放置されている上、その所在位置に関する情報もろくにないか、全くない場合が多い。そんな遺跡の数々を、あるいは地図と首っぴきで、あるいはあちこち道に迷いながら、また道行く人や道ばたの家の人々に尋ねながら探すスリルがいたく興奮をさそい、とうとう探し当てた時のよろこびを、たやすく行けたときのそれの百倍増にふくらませてくれたのである。」(著者 あとがき より)

ISBN4-480-85569-6 C0026 P3300E

『地図を旅する 一枚の地図から広がるロマン』  創隆社/1991年(平成3)発行/¥720(本体¥699 当時)

「この本で私は、地図がひらく世界のゆたかさと、地図のもたらすさまざまなたのしみ、そしてそのたのしみを生みだすいくつかの手だてを語ることにつとめた。できるだけ具体的に語ったつもりだが、一方、この小さな本の中で、あらゆることについてこまかいおとまで語りつくすことはできないから、もっとも本質的なことに話をしぼり、細部にわたってこまごまと書くことはしなかった。ただし、補章に、地図の入手方法についてのいくつかの具体的なことと、もっとくわしいこと、たくさんのことを知りたい諸君が次に読むのに適当と思われる本のリストを記しておいた。これを手がかりにして、各自の地図の世界をどんどん広げていっていただきたい。」(著者はしがき より)

※この本は、1981年創隆社刊の「地図は語る」を改題・加筆し、刊行したものです。

ISBN4-88176-069-6 C8225 P720E

『地図の風景 日本の山 西日本編』  そしえて/1990年(平成2)発行/¥3300(本体¥3204 当時)

 「この本はこれまで通り幾人かのエッセイから構成されており、それぞれの項の叙述の仕方が筆者によって異なることが特色なのだが、全体を通して読むと、西日本の山の特性が人々の生活と多様にかかわりあっていることが随所に感じられる。歴史の古い西日本の山と人々との結びつきを多面にわたるエッセイを通して考えてみる試みが、この本によって展開されているとすればまことにうれしいことである。」(著者中山正民 はしがき より)

ISBN4-88169-103-1 C0025 P3300E

『地図の記号論 方法としての地図論の試み  批評社/1990年(平成2)発行

/¥2060(¥2000+税¥60 当時)

 「文字や絵画については、それぞれ文学論、芸術論といったように、「論」としての展開が歴史的に形づくられてきたわけですが、地図についてはその実用性にのみ眼を奪われ、正確さや精密さだけが主題となってしまい、「論」としての展開が不可能であるかのように考えられてきました。しかし、実はそうではなく、「論」としての展開が不毛であったがゆえに一元的な「進歩主義的地図史観」が支配的地図観として形づくられてしまったのではないかと思うのです。地図の思想史研究会は、まだ生まれたばかりの小さな組織ですが、豊かで創造的な地図論の形成と確立を目指して行こうと思っています。」(地図の思想史研究会 あとがき より)

 

※堀淳一、塩見鮮一郎、田中勝也、野崎六助、永野恒雄、津野海太郎 共著

0030-90115-7189

『地図の科学 よい地図・わるい地図』  講談社/1990年(平成2)発行/¥800(本体¥777 当時)

 「序章で述べたように、私はかねてから、地図の本質とそのデザインに対する省察をほとんど欠く従来の「地図学」ないし「地図の科学」に、大きな不満を抱いていた。これを解消するのにはこれも序章にそのイメージを描いたような真の地図学の出現が必要なのだが、他人がそれを作ってくれるのを待っていたのでは、徒に日がたつばかりのようである。そこで、微力をかえりみず、私なりの試論を数年来積み重ねてきた。既刊の「地図・遊びからの発想」(講談社、一九八二年)と、「地図・イメージ・その美」(古今書院、一九八七)はそのささやかな成果である。本書ではさらに一歩進めて、地図に表現される対象イメージの類別と、その上に立った地図作成指針および地図の良否判定のモノサシに関する体系的な議論とを試みた。」(著者 あとがき より)

ISBN4-06-132807-7 C0244 P800E