堀 淳一 アーカイブ 『堀 淳一 著書紹介』
※このページでは、堀淳一氏が書かれた地図や鐡道、旧道などにまつわる著書をご紹介いたします。
※ご紹介の書籍は、現在、絶版や版元在庫切れなど入手困難のものが含まれております。ご了承ください。
<1987~1989年に出版された著書のご紹介です。これより以前の著書については最下段のリンクよりお進みください>
『地図のイコロジー』 筑摩書房/1989年(平成元)発行/¥3300(本体¥3204 当時)
「聖書物語やギリシア神話、「地・火・風・水」や四季の図。奇怪な人間や動物・植物たち――ヨーロッパの古地図は、実に豊富な図像で彩られている。地図好きの著者が、図像の魅力にとりつかれ、その意味を解読しながら、そこにこめられた人々の思いをとらえようとする、地図好きの読者にはこたえられない一冊。」(カバー帯 紹介文 より)
ISBN4-480-85515-7 C0025 P3300E
『れいる残照』 そしえて/1989年(平成元)発行/¥4500(本体¥4369 当時)
「廃線跡の風景は、深い詩情で人の心を打つ。すべての人のいとなみの廃址と同じく。しかもそれは、各所に仕立てられた旧跡とはちがって、ガイドブックのきまり文句の手あかもつかず、ガイド嬢の美辞麗句によってキッチュ化もされず、観光客の喧噪によって俗臭にまみれることもなく、人知れず、ひそやかに、その味わいを漂わせるのである。そんなかくれた詩情をたずねはじめてから、半世紀がたつ。その間同好の士も次第に増え、「消えた鉄道 レール跡の詩」(1983、そしえて)、「消えた鉄道を歩く――廃線跡のたのしみ」(1986、講談社)という2冊の本を発表することもできたのは、うれしいことだった。しかし、詩情をもっとも端的に表現することのできる写真については、前記2冊にかなり多数を掲載することができたとはいえ、その大部分はサイズ、印刷コスト等の制約のため、表現力を極度に減殺されたものに止まらざるを得なかった、といううらみが残っていた。その劵を缺を補いたい、と、作ったのが本書である。」(著者 あとがき より)
ISBN4-88169-656-4 C0025 P4500E
『北海道 地図を紀行する 道東道北編』 北海道新聞社/1989年(平成元)発行/¥1600(当時)
「同題の道南・道央編を出してから一年足らずで、道東・道北編出版の運びになった。内容は前と同じく、ガイドブックの知らない場所へ地図に誘われて出かけてゆき、ガイドブックには書かれていない風景の味わいやおもしろさを探った記録である。そういうたびを希求される方々のご参考になればうれしい。前者同様、気楽に読んでいただきたいと思う。地質学・地形学上のことについてはできるだけ平易に説明したつもりだが、専門用語を解説なしで使った(解説しているとあまりに長くなるばかりでなく、文章の流れが妨げられるので)個所もある。それがむずかしく感じられたら、そのような個所はどうかほどほどに読み流すか、読み飛ばすかしていただきたい。この本は地質・地形の教科書ではないので、用語に神経質に、完全主義的にこだわることはなく、風景描写やエピソードの部分だけを読んでくださっても結構なのである。」(著者 あとがき より)
ISBN4-89363-541-7 C0026 \1600E
『北海道 地図を紀行する 道南道央編』 北海道新聞社/1988年(昭和63)発行/¥1500(当時)
「紀行的な文章を今までずいぶん書いてきたけれども、歩いたところがことごとく文章になったわけではない。国外の場合には文章化率は一〇〇パーセント近いが、国内道外では七〇パーセントぐらい、道内では四〇パーセントという見当か。書くチャンスは三つの場合に対してはほぼ同じ頻度でめぐってくるのに、歩く場所はどうしても距離が近いほど多くなるのだから、当たり前のことと思えばそれまで。何も歩いたら必ず書かねばならぬということはない―― とはいうものの、何か、材料が揃っているのに料理をつくるチャンスのない料理好きの心境。そこへ北海道新聞出版局から、それなら料理をつくらせてやろう、という声が降って湧いた。それに甘えて料理を試みたのが本書である。」(著者 あとがき より)
ISBN4-89363-512-3 C0026 \1500E
『霧のかなたの聖地 *アイルランドひとり旅』 筑摩書房/1987年(昭和62)発行/¥1600(当時)
「私は文学については全くの素人であり、歴史に関しても高々愛好家であるに過ぎない。しかし、その分だけ、専門的な既成観念にとらわれずに比較的素直かつ自由にアイルランドの風土を味わうことができたのではないか、と思っている。また、私は自然地理にとくに愛着をもっており、前に上げた書物にはほとんど紹介されていないアイルランドの自然史・自然景を、人文・歴史風景と同じウェイトで観察することを心掛けた。これらを生かせば、プロ的な思い入れから比較的自由な、そして過去のではなくいまのアイルランドのイメージを、いくらかでもなまなましくお伝えし、多少とも前記の欠を埋めることができるかもしれない、と考えたのであった。」(著者 あとがき より)
ISBN4-480-85374-X C0026 \1600E
『地図・イメージ・その美』 古今書院/1987年(昭和62)発行/¥2600(当時)
「前著『地図―「遊び」~の発想』(講談社現代新書)では、地形図からイラストマップに至るあらゆる種類の地図を統一的に眺め、種類の差を地図の優劣と結びつけるという偏見におちいることなく、それぞれの種類の地図の価値をひとしく認めた上で同種の地図の間の優劣を判断することのできる視点を見出そうとした。本書では、一段と深い議論によって、その視点をより確固としたものにしようと試みた。ただし、話の進め方は全く異なる。すなわち、前著では、地図に対して広く持たれていたさまざまな固定概念・偏見を一つ一つ挙げ、それらが当たらないものであることを論じるとともに、優れた地図とはどういう地図かということを明らかにしてゆきながら、帰納的に「地図はイメージの表現」である、という統一視点を導いた(イメージという言葉は使うに至らなかったが)本書では逆に地図はイメージの表現であるという視点を最初に理論的に確立してから、演繹的にすぐれた地図とは何か、どうすればすぐれたちずをつくることができるかを論じた。」(読者の皆さんへ より)
ISBN4-7722-1226-4 C1025 \2600E
『地図はさそう』(文庫版) 河出書房新社/1987年(昭和62)発行/¥580(当時)
「本書は、一九七六年(昭和五一年)に「そしえて」社から出版した「地図はさそう――自然と人と詩と」を文庫化したものである。文庫化にさいして、出版後一〇年間の地図事情の変化に応じた訂正を行った。ただし、内容との関連上必要な場合を除いて、掲載した地図をその後の修正版にとりかえることはしていない。したがって、掲載地図の大部分は最新のものではないが、本書を理解する上にはそれは全く差支えないので、ご了承いただきたい。地図に対する私の考え方は、基本的には一〇年前と変わっていない。ただ、その後の私の思想の整備にてらして、表現に必要最小限の修正を加えたことを、おことわりしておきたい。」(著者 あとがき より)
ISBN4-309-47105-6 C0125 \580E