堀 淳一 アーカイブ 『堀 淳一 著書紹介』

※このページでは、堀淳一氏が書かれた地図や鐡道、旧道などにまつわる著書をご紹介いたします。

※ご紹介の書籍は、現在、絶版や版元在庫切れなど入手困難のものが含まれております。ご了承ください。

<1984~1986年に出版された著書のご紹介です。これより以前の著書については最下段のリンクよりお進みください>

『森と野と古都の旅 ―西ドイツ地図紀行』  講談社/1986年(昭和61)発行/¥380(当時)

 「西ドイツの自然美については、中でも従来紹介されることがなかった。南ドイツの一部以外は高い山がなく、いたるところで人手が加えつくされて、森と畑と牧草地を載せる大平原やゆるやかな丘なみがどこまでも続く風景は、確かに単調といえば単調だ。しかしそれは、単調としか見る目がないためにすぎない。耕作景や地形の微妙な移り変わりを光と外気とに肌をひたらせ、また地史と歴史に思いをはせながらゆっくりたっぷりと観察して歩くならば、それらの眺めは次々と尽きない興味をそそり、独特の美しさで人をよろこばせてくれる、味わい深い自然景なのである。」(著者 はしがき より)

ISBN4-01-064275-0 C0195 \440E

『サッポロこぼれある記 北の街の空のひろがり』  そしえて/1986年(昭和61)発行/¥800(当時)

 「砂利道の脇には、二二という数字も明瞭なキロポストがまだ立っていて、私をよろこばせた。が、もっとうれしいことがその先に待っていた。小金湯駅のホームと待合室と、そして「こがねゆ」と黒々と書かれた駅名標とが、かなりいたみながらも、一九六九年廃止以来一五年の年月に耐えて、そっくり残っていたのだった!」(本文 「レール跡の散策路 豊羽鉱山専用線と定山渓鉄道の跡」 より)

ISBN4-88169-316-6 C0026 \800E

『廃線の楽しみ 消えた鉄道を歩く』  講談社/1986年(昭和61)発行/¥380(当時)

 「前著『消えた鉄道――レール跡の詩』(そしえて刊一九八三)に引き続いて、廃線跡を歩くたのしみを筆にしてみた。いわゆる鉄道マニアの中の、ゆっくりと廃線のおもむきを味わう醍醐味を知る方々あるいは知ろうとする方々、鉄道とは必ずしも関係がなくても、静かな自然をたっぷりと味わって歩く愉悦を知る、あるいは知りたいと思う方々のお役に、いくらかでも建てれば幸いと考えて。したがって、この本の目的は「味わい」の表現であって、廃線跡のデータのリストつくりでも、鉄道史の発掘でもない。」(著者 あとがき より)

ISBN4-06-183726-5 C0126 \380E

『地図の風景 日本の山 東日本編』  そしえて/1985年(昭和60)発行/¥3000(当時)

 「わが国は、四面海に囲まれた島国である。そこには平野もあれば、東京・大阪のような大都市もある。しかし、地球的規模で考えれば、それはまさに山国ということになる。ブッツァーの著した「地球からの地形学」にのっている地形分類図をみると、わが国全部が山地に分類されている。これは同じ島国でも、イギリスの地形が構造平野や楯状地といったふうに分類されているのとは、まったく違った扱いを受けている。こういった観点に立つならば、われわれ日本人は基本的には山国で生活しているという自覚を持っても、よいように思う。いやそれよりも山国を基本として、環境問題・自然災害・天然資源・生活文化などを考えていくべきではなかろうか。」(著者中山正民 はしがき より)

ISBN4-88169-102-3 C0025 \3000E

『地図から旅へ』(文庫版)  講談社/1985年(昭和60)発行/¥340(当時)

 「『地図から旅へ』が出たのは、もう十年も前のことである。したがって、そこに描写されている各地の状況は、今では少なからず変わっていることであろう。しかし、その変化に対応して本文を書き改めることは、困難であり、またあまり意味もない――つまり、十年前の様子が書き留められていることにむしろ意味がある、と思われるので、これについては本文には手を触れず、その後の変化がはっきりわかっていることについて、巻末に補注をつけるのに止めた。一方、地図に対する私の考え方は、十年前と基本的には全く変わっていない。ただし、その後の理論的整備に伴って、細部の軸を改めた方が良い個所が若干生じた。そこで、これについては本文をいくらか書き直しことにした。」(著者 文庫版発汗に際して より)

ISBN4-06-183512-2 C0126 \340E

『ヨーロッパの気ままな旅』  旺文社/1984年(昭和59)発行/¥380(当時)

 「南欧の燦々とふりそそぐ光の下、陽気な人々との愉快な語らいのとき。ドイツのとあるレストランで飲む一杯のビールが、中世に思いを馳せさせる。北欧の冷たい雨の中で出会った厳しく、美しい自然の姿……。ヨーロッパの気ままな旅をペンとカメラで記録した、詩情あふれる紀歩きルポ」(本誌カバー より)

ISBN4-01-064274-2 C0195 \380E

『忘れられた道 ―旧道の静寂・廃道の幽愁』  そしえて/1984年(昭和59)発行/¥980(当時)

 「古い道をたずねることがさかんである。有意義なことであるし、旧趣ゆたかな道を、クルマの奴隷にならずに足で歩くのは大変結構なことである。ゆたかな緑陰にひそやかに抱かれ、あるいはしっとりとした生活の息づかいが陽だまりに静かに漂うそれらの旧道・廃道のおもむきをクルマの洪水にわずらわされずに味わい、それぞれの秘める歴史をしのんで歩くのは、いわゆる由緒ある古道を歩くのに劣らず、心たのしいことなのだ。」(本文冒頭 より)

ISBN4-88169-308-5 C0026 \980E

『地図なんでも入門』 小学館入門百科シリーズ128  小学館/1984年(昭和59)発行/¥490(当時)

 「地球の表面やその近くにあるいろいろなものを表現・描写する地図には、それぞれちがった目的をもつ、たくさんの種類のものがあります。そのうえ、表現・描写のしかたも、目的によって変わり、またつくる人の考え方や好みによってそのたびにちがってきますから、無限に近いほどのさまざまな地図ができることになります。地図の使い方のまたさまざまあって、同じ一枚の地図でも、いろんなふうに読むことができ、いろんなふうに使うことができます。地図の世界は、とても広く、とてもゆたかなのです。」(読者の皆さんへ より)

ISBN4-09-220128-1 C8525 \490E

『オホーツク 春と秋の心象風景』  そしえて/1984年(昭和59)発行/¥980(当時)

 「春と秋のオホーツク海岸を歩くのが、私は大好きである。冬の流氷、夏の原生花園という観光パンフレットや旅行雑誌でおなじみのイメージからは大きくはずれた、あまり人の知らないオホーツクの表情――あるいはふわりと優しくあたたかい、あるいはものさびしく憂いに満ちた表情が。類型的なイメージにははまらないそんなオホーツクの横顔のいくつかを、この本では描写してみた。」(著者 本文冒頭より)

ISBN4-88169-306-9 C0026 \980E

『ニュージーランドは詩う』  そしえて/1984年(昭和59)発行/¥2800(当時)

 「一九八二年の九月から十月にかけてほぼ一ヶ月、ニュージーランドのあちこちをさまよい歩いてきた。主な目的は、ニュージーランド北島の火山ベルト地帯をひとわたり見ることと、南島アルプスのところどころ、とくに氷河とマウント・クックの姿を瞥見することとであった。その折の体験・印象をまとめたのがこの本である。この本が、ニュージーランドの旅の味わい、とくに自然の素晴らしさを読者の方々にいくらかでもお伝えすることができれば、そして、クルマを使わずにできるだけ自分の足で歩く、ゆとりと実のある旅をしようと思う方々にはさらに、ニュージーランドの公共交通機関の事情やそれを利用するたのしみなどについてのささやかなご案内となればよいが、と思っている。」(著者 はしがき より)

ISBN4-88169-106-6 C0026 \2800E

『地図のイメージ紀行』  福武書店/1984年(昭和59)発行/¥1400(当時)

 「これは本書に限ったことではないが、聞き慣れない色の名前もかなり出てくる。しかしこれらについても同じく、一つ一つの色名が正確にはどんな色を表すのかについて、いちいち思い悩まれる必要なはい。コトバのムードでおよそのイメージを描いて読んでいただければよい。何れにせよ、旅ばかりでなく、読書にさいしても、完全主義は禁物。こまかいことにこだわらずに気楽に読んでいただきたい。この本で私が何を言いたいか、という「空気」を感じていただくのには、それで十分であり、また多分、そのほうがよいのである。」(著者 はじめに より)

ISBN4-8288-1040-0 C0095 \1400E

『地図を歩く』(文庫版)  河出書房新社/1984年(昭和59)発行/¥580(当時)

 「『地図のたのしみ』に対して多くの方々から厚意にあふれる読後感をいただいたことは、まことにありがたいことでした。これら地図愛好家の方々のご声援がなかったならば、比較的短期間の間に、一冊にまとまるほどの文章がたまることはあり得なかったことでしょう。拙文が掲載された雑誌の性格や、与えられたテーマの影響で、前著より全体として紀行文的なニュアンスの勝ったものになったと思いますが、もし本書が前著とともに、いくらかでもいろいろな方に地図により親しんでいただき、また地図や旅行について考えていただくよすがとなれば、筆者としてこれにすぎる喜びはありません。」(著者 あとがき より)

ISBN4-309-47063-7 C0125 \580E