堀 淳一 アーカイブ 『堀 淳一 著書紹介』

※このページでは、堀淳一氏が書かれた地図や鐡道、旧道などにまつわる著書をご紹介いたします。

※ご紹介の書籍は、現在、絶版や版元在庫切れなど入手困難のものが含まれております。ご了承ください。

<1970年代に出版された著書のご紹介です>

『地図の風景 北海道編Ⅰ』  そしえて/1979年(昭和54)発行/¥1800(当時)

 「地図や空中写真は、プロでなければ読めない、というものでは決してない。ちょっと馴れさえすれば誰でもかなりの程度読み込むことができるものだ。なかでも空中写真を立体視するたのしみはぞくぞくするほどのものであり、そうすることによって得られる情報量の大きさははかり知れない。またこうして旅のよろこびを何層倍にもふくらませ、さらに、あなたまかせの旅よりもはるかに心ゆたかな旅を、作り出すことができるはずである。」(著者はしがき より)

 

※『地図の風景』シリーズは、堀淳一、山口恵一郎、龍瀬良明共著です。

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『地図はさそう 自然と人と詩と』 そしえて/1976年(昭和51)発行/¥1800(当時)

 「地図は、どっちの道を行け、と指図もしないし、地図にない道を気の向くままに歩こうが、気に入ったところに何時間すわりこんで、観察したり、空想の世界に遊んだり、詩作にふけったりしていようが、文句もいわず、時間が来た、とせきたてもしない。そこよりもこっちのほうがいいよ、などとおせっかいをしない一方では、こちらがのぞみさえすれば、どんなに人がいかないところへの道筋や、そこの地理も、大都会や有名な観光地とまったくわけへだてなく懇切に、また正確に教えてくれる。地図は、みじんもガイドぶらない、しかしそれゆえに、どんな人間のガイドもおよばない、公平無私の最高のガイドであり、無二の旅の道連れなのだ。」(本編「六 地図を味わう」より)

ISBN4-88169-260-7 C0025 \1800E

『ヨーロッパ軽鉄道の詩』 スキージャーナル/1979年(昭和54)発行/¥1400(当時)

 「一九七六年から一九七九年のはじめまで雑誌『鉄道ファン』に連載した記事に、若干手を加えて編成し直したのが本書である。ただし、第一章後半のスカンジナビアとポーランドの市電に関する四篇、第三章の最後の「エステルシェルにて」および第四章の「シュトゥットガルトの歯車電車と市電」の計六篇は、新たに付け加えた書き下ろしの文章である。

 カミカゼ的な紀歩き旅行では味わえないローカル列車や路面電車のほのぼのとした情趣を、いくらかでも拙文からくみとっていただければ、筆者にとってこれ以上のよろこびはない。」(著者あとがき より)

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『地図と風土』 そしえて/1978年(昭和53)発行/¥1500(当時)

 「「地図から旅へ」の出版以後新聞・雑誌に書いた地図に関するエッセイのうち。多少とも「風土」に関係のあるものを集めて手を加え、それに新に書き下ろした文章を付け加えてまとめたのが本書である。もとより、いずれの文章も折に触れての断片的な感想、あるいはささやかな考察に過ぎず、系統的な「風土論」の構成を試みたのもではない。しかし、地図を土台とした風土論を展開するための一つのいとぐちとなれば幸と考えて、あえて世に問うことにした。またこの本が、地図の世界を豊かにするためにいくらかでも役立つならば、それはいっそう嬉しいことである。(著者あとがき より)

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『札幌 日本の古地図15』 講談社/1977年(昭和52)発行/¥880(当時)

 「古地図、ときいたときに普通頭に浮かぶのは、江戸時代またはそれ以前にできた地図である。その意味では、明治になって建設された札幌には、古地図など存在しないことになる。しかし、古地図の定義は別にはっきりしているわけではない。広い意味では、現在との時代のちがいをまざまざと感じさせてくれる地図ならば、すべて古地図とよんでよいであろう。さらにそれが味わい深く楽しければ、いっそうその名に値すると思われる。そんな地図をいくつか選んでみた。私は古地図の研究家でも収集家でもないから、選び方は専門的見地からみればあるいは当を得ていないかもしれない。しかし古地図はしかつめらしい研究の対象としてのみ価値があるのではないと思う。難しいことはさておいて、広くいろんな方に、札幌にもこんな絵図・地図があったのか、とたのしんでいただければ幸い、と思っている。」(冒頭「新しい町の古い地図」より)

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『旅 あの日この日』 スキージャーナル/1977年(昭和52)発行/¥1200(当時)

 「本書は、ここ一、二年の間に発表してきた紀行文に、書き下ろしの作品を加えて構成したものである。第一章の「ヨーロッパあの日この日」の一二篇は一九七五年一二月から一九七六年一一月まで雑誌『北方文芸』に連載した旅の文章、第二章「旅のふらぐめんと」の一二篇は一九七六年一月から同一二月まで雑誌『旅』に連載した小篇に、それぞれ若干筆を加えたものである。第三章は、札幌コンターサークルの機関誌『等高線』の第三号(一九七七年)に載せた「北サロベツ賛歌」、北海道大学鉄道研究会機関誌『混合列車』第六号(一九七六年)に寄稿した「美幸線小紀行」、および雑誌『蟻塔』の一九七七年第二号に掲載された「早春の夏井川渓谷をゆく」の三篇を除いて、全部書き下ろしである。」(著者あとがき より)

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『地図とカメラのヨーロッパ軽鉄道散歩』 河出書房新社/1975年(昭和50)発行/¥1200(当時)

 「一九七一年の七月から九月まで西ヨーロッパ各国を旅行したさいに乗り歩いた、あちこちの軽鉄道話を。一九七二年一〇月から二四回にわたって雑誌『鉄道ファン』に連載しましたが、それをまとめたのがこの本です。

 『軽鉄道』というのはちょっと聞き慣れない言葉だと思いますが、路面電車、ケーブルカー、短小なローカル私鉄や都市間鉄道などの、各国の国有鉄道のような、長距離輸送を目的として広大な地域に線路をはりめぐらしている大鉄道に比べると、規模も小さくまた車両や線路の規格が多少とも低い鉄道を総称する言葉です。いわゆる軽便鉄道もこの中に含まれますが、軽便鉄道という言葉の持つイメージがぴたりとあてはまる鉄道は、現在ではごく特殊なものに限られ、数も僅かになってしまっているので、もっと広い範囲の小規模鉄道を包括する言葉が必要になってきたのです。」(著者はしがき より)

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『地図から旅へ』 毎日新聞社/1975年(昭和50)発行/¥1100(当時)

 「この本は地図と旅に関して、あちこちの新聞・雑誌に書いた随筆や紀行文に、書き下ろしの文章数編を加えてまとめたもので、前著「地図の楽しみ」および「地図を歩く」(いずれも河出書房新社)の続編にあたります。

 地図と旅とは切っても切れない関係にあり、地図を想うことは同時に旅を想うことでもあります。地図についていろいろと論じているうちに、私の旅心はますますかきたてられ、それに伴って度についての思索がいっそう触発されることになりました。本書では地図の話と旅の話とがほぼ同じ分量を占めるにいたったゆえんです。」(著者あとがき より)

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『地図を歩く』 河出書房新社/1974年(昭和49)初版発行/2012年(平成24)新装新版初版発行

本体¥2600(税別)

 「前著『地図のたのしみ』を出版してから二年の間に、あちこちに発表した拙文が大分たまりました。それらの一部を本にまとめないか、という書肆のすすめに従い、六篇ほどの書き下ろしを加えて、ふたたび江湖に問うことにした次第です。」(著者新装新版あとがき より)

 「堀さんの「地図紀行」の目的地は、まず観光客などめったに行くような場所ではない。だから鉄道もバスもガイドブックなどには全く情報がない。しばしば想定外の不具合もある。例えば地形図では繋がっているはずだったコムケトーの砂州が切れていて漁船に助けてもらったり、ホロカヤントーでは予定を変更して別の経路を選ぶなど。それでも旅は「失敗」ではなくて、それから淡々と次の予定を考える。ちょっとすると不意の予定変更を楽しんでいる気配さえあるのだ。」(本書解説・今尾恵介 より)

ISBN978-4-309-22572-2 C0025 ¥2600E

『地図のたのしみ』 河出書房新社/1972年(昭和47)初版発行/2012年(平成24)新装新版初版発行

本体¥2500(税別)

 「四〇年も前に出たこの本を再版したい、という申し出が河出書房新社からあった時は、びっくりしながらも大変ありがたく思って、直ちに快諾しました。四〇~六〇年前という「大昔」に撮った写真とその間に集めた地図をもう一度探し出すのは大変でしたが。そのさいに多大なご支援を賜った上、解説まで書いてくださった畏友今尾恵介氏に厚く御礼申し上げます」(著者新装新版あとがき より)

 「それにしても初版の二年後に一四版。昨今ではこれほど版を重ねる本など、滅多にあるものではない。当時はなるほど今よりずっと本が売れた時代ではあったが、いかにも一般受けしそうな企画というわけでもないから、それだけ多くの人から歓迎されたことがわかる。やはりそれまで類書がなかったからではないだろうか。地理学者により地形図の入門書はもちろん戦前から存在し、それなりに優れた参考書はあったと思うが、あくまで地図愛好家の視点で、しかもこれだけ多岐にわたる地図の楽しみ方を開陳した本はなかったに違いない。」(本書解説・今尾恵介 より)

ISBN978-4-309-22569-2 C0026 ¥2500E

『英国・北欧・ベネルックス 軽鉄道の旅』 交友社/1971年(昭和46)発行/¥1600(当時)

 「海外旅行が盛になり、ヨーロッパまで足をのばす鉄道ファンも多くなって、鉄道関係の旅行記や写真集がいろいろ出版されるようになりましたが、TEEや国際急行列車などの幹線の優等列車にあきたらずに、田舎のローカル列車や私鉄、市内電車などのあまり知られていない軽鉄道を訪ねる方々はまだ少ないようです。この本は私が1963年と1967年の2回にわたって英国、北欧およびベネルックス諸国をまわり、あちこちの軽鉄道に乗った時のささやかな見聞を、いくらかでもこの間隙を埋めることができればと考え、そのさいとってきた写真を中心にしてまとめたものです。」(著者まえがき・”軽鉄道”とは? より)